こんにちは、くろ(@kuro_holi)です。
スペインは公用語が6種類もあることをご存知でしたか?
実はスペインは自治州ごとに公用語が決められており、最もよく使われるカスティーリャ語以外にもバスク語やカタルーニャ語などが公用語として認められています。
日本でスペインと言えばサッカーやパエリアなどが有名で、こういった言語や現地生活に関する情報はまだまだ多くありません。
そこで今回は、スペインへの留学やワーホリに興味がある、あるいは悩んでいる人に向けてスペインの国について物価や治安などの基本情報をまとめました。
また、スペイン語の種類やスペインでのワーホリ生活にはどんなメリットとデメリットがあるのかなども書いたので、ぜひ読んでみてください。(5分程度で読めます)
すでにスペインのワーホリを検討しているという方はこちらで申請方法を解説しています。
【スペインのワーホリ】ビザ申請~申請方法と必要な書類を徹底解説~目次をクリック
スペインの基本情報
スペインはヨーロッパ大陸の南西にあり、ポルトガルやフランスと隣接しています。
国土は日本の約1.3倍くらいで、イベリア半島の約85%と、アフリカ大陸の飛び地であるセウタや地中海上のバレアレス諸島、太平洋側にあるカナリア諸島が含まれます。
スペインの気候
スペインは1年中温暖な気候で過ごしやすいと言われていますが、北や南、内陸地など地域によって気候に大きな違いがあります。
1番過ごしやすいのは北部のカンタブリア海沿岸など海洋性気候の地域で、夏は涼しく冬は暖かい気温の中で生活することができます。
バルセロナがある東部や、南部のマラガなど地中海沿岸の都市の夏は日差しが強く非常に暑くなりますが、乾燥しているので日本の夏に比べると過ごしやすく感じるかと思います(地中海性気候)
逆に過ごしにくいのは首都マドリードのような内陸地で、夏は暑く冬は寒い、しっかりとした季節の変化がある気候です。(大陸性気候)
このように、スペイン国内でも場所によって気候が全然違うので、渡航前に住みたい地域をしっかりリサーチしておきましょう。
公用語はスペイン語を含めて6種類
スペインの公用語はスペイン語(カスティーリャ語)ですが、
- バスク語(バスク州、ナバーラ州北西部)
- カタルーニャ語(カタルーニャ州、バレアレス州)
- ガリシア語(ガリシア州)
- バレンシア語(バレンシア州)
- アラン語(カタルーニャ州)
など、各自治州によって他の言語を地方公用語とすることがスペイン憲法で認められています。
国内に6つも言語の種類があると、スペイン語学習といっても住む地域によって習得スピードや方言などに大きな違いが出てきそうです。
ただ、地方でもたくさんの人がカスティーリャ語を話せるので、スペイン語初心者は公用語であるカスティーリャ語から習得するといいかと思います。
スペインでの生活やカスティーリャ語でのコミュニケーションに慣れてからであれば、どこへ行っても最低限のコミュニケーションには困らないので語学勉強のストレスも緩和できます。
スペインの物価
標準税率が21%と高い設定ではありますが、軽減税率で食品類は安く購入することができます。
ただ、スペインの税率は変わりやすい国という印象があり、今後も景気によって変動するかと思われます。スペインの通貨はユーロ(€)です。
スペインの標準税率は21%
スペインの付加価値税(日本の消費税にあたるもの)は、
- 標準税率21%
- 軽減税率10%
- 超軽減税率4%
と3つに分かれています。
品目ごとに細かく分かれているので覚えるのは一苦労ですが、基本的には内税なので表示されています。
超軽減税率4% | 野菜や果物、パンや水など基本的な食品、新聞、本、医薬品など |
軽減税率10% | 日用品、交通費、レストラン、美容院、スポーツ用品など |
標準税率21% | アルコール、タバコ、洋服、音楽、映画のチケット、学用品など |
物価一覧
スペインの物価は高いと言われていますが、地域によって異なります。
マドリードやバルセロナのような主要観光地と、カタルーニャやバスクなど、北側にある都市は高めで、アンダルシアやセビージャなどの南に位置する都市は比較的安くなっています。
イメージとしては、家賃や外食費は地域によっては日本よりも高く、スーパーや市場の青果は日本よりも安いといった感じです。
スペインの通貨はユーロ(€)、1€=119.53円(2020年3月5日)で小数点以下切り捨てで計算しています。
項目 | ユーロ(€) | 日本円 |
タクシー(初乗り) | 2.50€ | 約300円 |
ランチ(1人) | 10~12€ | 約1,199~1,439円 |
ディナー(1人) | 15~30€ | 約1,799~3,597円 |
水1.5L | 0.50€~ | 約60円 |
オレンジジュース 500ml | 2€~ | 約240円 |
牛乳1L | 0.8€~ | 約96円 |
米 1kg | 2€~ | 約240円~ |
トマト 1kg | 1€~ | 約120円~ |
豚肉1kg | 5~6€ | 約540~719円 |
サーモン1kg | 15~18€ | 約1,799~2,158円 |
交通機関
スペイン国内の主要都市内の移動はメトロ(地下鉄)や路線バス、路面電車など移動手段が充実していて非常に便利です。
特にマドリードやバルセロナは、観光地ということもあり移動手段が豊富で、近距離だと1€(約120円)という安さで移動できます。
ただし、郊外は鉄道があまり発達しておらず、バスの本数もかなり少ないので、通勤や通学には中心地に住む方が便利です。
スペインの治安と社会状況
2019年10月に発生した大規模デモの印象から、治安を心配する声がありますが、スペインはヨーロッパの中でも比較的治安の良い国です。
2020年3月の時点で、外務省によるスペインの危険情報は発表されておらず、渡航に関する規制も一切ありません。
交通機関のストライキや市民デモに注意!
2020年3月現在、スペインに関する危険情報や渡航に関する危険レベルに引き上げは出ていませんが、2019年10月にバルセロナで発生した市民35万人による大規模デモの影響で注意喚起が発表されています。
スペイン:カタルーニャ州分離独立派による抗議活動に関する注意喚起2019年10月17日
【ポイント】
●2017年10月にカタルーニャ州独立の是非を問う州民投票の実施に関与した同州分離独立派幹部の有罪判決が発表されたことを受け,その判決を不服とする同州分離独立派が,同州各地でデモや道路封鎖等の抗議活動を行ったほか,バルセロナ市のエルプラット空港を占拠しました。
●今後も,同様の抗議活動が発生する可能性がありますので,報道等から現地の最新情報を入手し,デモ等が行われている地域一帯には決して近づかないようにして自らの安全確保に努めるなど,十分注意してください。
参考:海外安全ホームページ: スポット情報詳細
北東部カタルーニャ自治州の独立に関するデモとのことですが、この問題は現在も解決していないので、デモやストライキの場所には近づかないよう十分注意してください。
注意喚起の全文は外務省のホームページからご確認ください。
スペインの経済状況
スペインは2007年の世界金融危機を受けて経済危機に陥り、2013年前半にかけて国内のいたるところで倒産が相次ぎました。
倒産を免れた会社でも大規模なリストラが実施され、特にたくさんの人が一気に職を失った2012年10月当時は、若年の失業率は52%にもなりました。
そんなスペインの経済状況ですが、付加価値税(VAT)や労働コストの見直し、ユーロ圏財務相会合の金融支援などによって2013年の年末以降だんだんと回復しています。
2020年3月の現在も緩やかですが経済成長を続けており、ユーロ圏内では第4位まで回復しています。
しかし、それでも若者の失業率は未だに34.4%と非常に高い状態が続いている状態です。
私が思うスペインへのワーホリのメリットとデメリット
スペインの情報を調べていて思った、
- メリット
- デメリット
について個人的な意見ですが、ご紹介します。
メリット①音楽やフラメンコ、料理など語学以外にもたくさん出会える
スペインにはフラメンコやサッカー、新鮮な海の幸を使った料理や情熱的な音楽など、日本ではなかなか出会えない文化や出来事がたくさんあります。
特にスペインは国内でも北と南、地中海側と大西洋側で気候はもちろん、食文化や性格なども全然違うので、住む地域で学べることや経験が大きく変わってきます。
なので、スペインのワーキングホリデーはスペイン語の習得以外でも、今後の人生に影響を与えてくれる経験ができるかもしれません。
メリット②1年中イベントだらけ!スペインでしか体験できない思い出作りができる
スペインでは各地で面白いお祭りやイベントが頻繁に開催されています。
特にスペインの祭りは、
- バレンシアの火祭り
- セビリアの春祭り
- パンプローナの牛追い祭り
の三大祭りが世界的にも非常に有名ですが、この他にも1年を通して楽しめるお祭りがたくさんあります。
例えば、5月にはマドリードで民族衣装を着てチョティス(Chotis)と呼ばれる踊りを踊る「サン・イシドロ祭」や、同じくマドリードのバジェカス地区で開催される「Batalla Naval de Vallecas」という水を投げ合うお祭りなど。
スペインでしか経験できないお祭りやイベントがたくさんあるので、スペイン語の習得も兼ねて参加すると一生忘れられない思い出になること間違いなしです。
デメリット①経済回復はしているけど、仕事は見つかりにくいかも
ある程度の語学力や専門的な知識があれば別ですが、スペイン語初心者で生活費を渡航後に稼ごうとするのは難しいかもしれません。
スペインは特に若者の失業率が高く、30歳以下の就業率は50%とスペイン人でさえ就業率が低いので現地での仕事はあまり期待できないかもしれません。
バルセロナやマドリッドは日系企業が多いので、日本語を使う仕事も他の都市より多めにあります。以下の掲示板で探している人も多いようです。
スペインの最低賃金は2018年に引き上げられ、現在は900ユーロ(約106,786円)です。
デメリット②都心は便利だけど家賃が高い、郊外は交通が不便
マドリードやバルセロナなどの都会はやっぱり家賃が高く、現在もどんどん高騰しています。
現在バルセロナ、マドリッドの家賃は8万〜、郊外でも5万前後、光熱費は1人住まいでも1万ほど、食費も必要ですね。ルームシェアや節約に努めても年間で100万円はかかる、と見積もって間違いはないでしょう。
参考:在住者がスペイン移住の魅力やデメリット・ギャップを大公開!移住の方法も解説します!
特にバルセロナの中心地は外国人からの需要が高く、家賃が高くても部屋はすぐに契約されるとのこと。
郊外であれば5万円前後と良心的なところもあるようですが、スーパーが極端に少なかったり、公共交通機関が1時間に1本など不便な部分も多いみたいです。
通勤や通学を考えると、スペインでは少し高い家賃を払ってでも中心地に近いところで部屋を探す方が良さそうですね。
どのスペイン語を習得したい?国や地域で学べるスペイン語が全然違う!
スペイン語って実は中国語と英語に次いで世界で3番目に話されている言語なんです。
スペイン語を母国語とする国はアルゼンチンやチリなどの中南米や、メキシコやパナマなどの中央アメリカ、アフリカでも公用語とされている国もあります。
ただスペイン語は大きく分けて、
- スペイン
- コロンビアやメキシコなど
- チリ
- アルゼンチン
の4種類でそれぞれ語彙や発音、言い回しなど同じ言語といっても国が変わればコミュニケーションをとることが難しい国もあります。
なので、自分が学びたいスペイン語はどこの国のものなのか事前にしっかり考えて渡航しないといけません!
2020年2月に時点で、スペイン以外でスペイン語を母国語とする国でワーホリができるのはチリとアルゼンチンの2カ国です。
◆チリのワーホリ情報を見てみる
【チリのワーホリ】ビザ申請~申請方法と必要な書類を徹底解説~◆アルゼンチンのワーホリ情報を見てみる
【アルゼンチンのワーホリ】ビザ申請~申請方法と必要な書類を徹底解説~スペインのワーホリ申請の概要
項目 | 概要 |
年齢制限 | 18~30歳 ※申請時の年齢 |
滞在可能期間 | 最長1年間 |
ビザ発給人数 | 500人 |
就学可能期間 | 明記なし |
就労可能期間 | 明記なし |
2017年にスタートしたスペインとのワーホリは、語学だけでなくフラメンコやサッカー、スペイン料理など様々な分野の習得の渡航先として人気の国です。
スペインのワーホリビザは、居住先の証明書や無犯罪経歴書など時間のかかる書類が不要なので申請手続きは他の国と比べて楽かと思います。
ビザの申請条件
スペインのワーホリビザ申請は以下の条件を満たしている必要があります。
(A) 2017 年 4 月 5 日付けで東京にて締結されたワーキングホリデー制度に関するスペイン王国政府 と日本国政府との間の協定を下に、以下の要件を全て満たしていることを申告し、ワーキング・ホリ デー査証を申請する。
(B) ワーキングホリデー査証申請時の年齢が十八歳以上三十歳以下であること。
(C) 有効なワーキングホリデー査証を所持する者に対し、入国の日から最長 1 年までの期間スペイン 滞在が許可され、かつ、旅行資金を補うために必要な限りにおいて、受入国スペインにおいて効力 を有する法令に従って就労が認められていることを把握していること。
(D) 被扶養者を同伴しないこと。
(E) 有効な旅券及び帰国のための切符、又はそのような切符を購入するための十分な資金を所持する こと。
(F) 受入国における滞在中の最初の 3 か月間の生計を維持するため、月額最低€538、 合計€1614 に相当する資金を所持すること。
(G) 滞在終了時に受入国スペインを出国する意図を有し、かつ、滞在する間に在留資格を変更しない こと。
(H) 以前にワーキングホリデー査証の発給を当該締約国政府から受けていないこと。
(I) 健康であることが医療診断書により確認されること。
(J)滞在中の傷害・疾病における死亡・治療をカバーする海外旅行保険に加入する事を重要だ と理解し、加入しない場合には関連費用の全ては自己負担になる事を承知する。
(K) 犯罪経歴を有しないこと。
(L) 受入国に滞在する間に、受入国スペインにおいて効力を有する法令を尊守する意図を有すること。
(M)以上のすべてのことを証明する書類等を有し、必要に応じて当該締約国政府からその提出を求め られる場合それを提出することと、受入国スペイン滞在中、当協定に示されている前記の決まりごと を尊守する意図を有すること。
参考:宣誓書|スペイン大使館(PDF)
スペインのワーホリ情報をチェック
スペインのワーホリ情報は在東京スペイン大使館の公式HPで確認することができます。
ワーホリに関する申請条件や申請方法などは予告なしに変更されていることが多々あるので、申請前に大使館へ確認することをおすすめします。
参考ブログ
今回、参考にさせていただいたブログをご紹介します。
実際に大使館へ問い合わせて資料請求されたMochiさん、申請書類を集めるのに注意すべき点を実体験を元に分かりやすく解説してくださっています。
スペインでギリホリ中、実際に記入したビザ書類を公開してくださっているのでとても参考になります。
ちなみに、私のTwitterでもいろんな国のワーホリ情報を更新しているので興味があればフォローお願いします。
▶くろ@ワーホリブロガー(@kuro_holi)
スペインへの渡航・チケットの手配
現在日本からスペインへの直行便は、東京成田からマドリード間のみ就航しています。
その他の都市への直行便はないので、バルセロナ等へ行く場合は乗り継ぎかマドリード到着後公共交通機関で移動することになります。
直行便の所要時間は約13時間半~14時間弱、渡航費用は安い時期で片道86,000円ほどかかります。
ただ渡航日や乗り継ぎ便にした場合で料金が大きく変わってくるので、まずは比較サイトで検索をしてみてください。
スカイスキャナーなら直行便だけでなく「乗り継ぎ回数」や「最安値の月」で検索できるので便利ですよ!
最初の滞在先が決まっていない方はAgodaで予約が便利!
お得なキャンペーンやクーポンが豊富なことで有名なAgodaは、ホテル+航空券のセット非常にお得です!
渡航先で検索するとおすすめで提案してくれるので、もし興味がある方はぜひAgodaでチェックしてみてください!
まとめ
今回は、スペインに関する基本情報やワーホリで渡航するメリット・デメリットついてまとめました。
スペインは住む地域によって、
- 物価
- 気候
- 学べる言語
などが大きく違ってくるので、渡航前にしっかりとリサーチし学びたいことや住みたい場所を明確に決めておく方が良さそうです。
またスペインは1年間お祭りやイベントが国内いろんなところで開催されるので、ぜひ参加してみたい催しの日程や場所もチェックしておくとよりスペイン生活を楽しめるかと思います。
スペイン以外の南ヨーロッパのワーホリ情報
参考:南欧(南ヨーロッパ)の特徴【定義/国一覧】
2020年3月現在南ヨーロッパでワーホリが可能な国は、
- スペイン
- ポルトガル
の2か国だけ。
今後増えていくかと思いますが、まだまだ少ないのが現状です。追加され次第、紹介していきたいと思います。
参考になった場合はクリックお願いします。
コメントを残す